catch-img

ピエゾ抵抗式圧力センサとは?仕組みやほかの方式との違い、選び方を解説

製造業では、機器の制御やプロセスの自動化など、さまざまな場面で圧力センサが利用されています。

なかでも「ピエゾ抵抗式圧力センサ」は、小型化しやすく、静的・動的な圧力を測定できることから、産業機器や医療機器、半導体製造装置、自動車など、幅広い分野で利用されています。

一方、圧力センサには静電容量式や圧電式など複数の検出方式があり、「ピエゾ抵抗式とはどのような仕組みなのか」「ほかの方式と何が違うのか」「自社の機器に組み込むにはどの製品を選べばよいのか」と迷う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ピエゾ抵抗式圧力センサの仕組みや特徴、ほかの圧力センサとの違いを解説します。あわせて、機器組み込み用の圧力センサを比較・検討する際のポイントや、具体的な製品についても紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.ピエゾ抵抗式圧力センサとは
    1. 1.1.ピエゾ抵抗式圧力センサの構造
    2. 1.2.圧力を検出する仕組み
  2. 2.ほかの圧力センサとの違い
    1. 2.1.静電容量式圧力センサとの違い
    2. 2.2.圧電式との違い
  3. 3.ピエゾ抵抗式圧力センサの主な用途
  4. 4.機器組み込み用センサを比較・検討する際のポイント
    1. 4.1.測定する圧力の種類を確認する
    2. 4.2.測定範囲や使用環境が適しているか
    3. 4.3.出力方式や接続方法が機器に適しているか
  5. 5.機器組み込みの選択肢となるピエゾ抵抗式圧力センサ
    1. 5.1.Sensormate 圧力センサ(オーダーメイド対応)
    2. 5.2.ハネウェル 圧力センサ 基板実装型
  6. 6.まとめ

ピエゾ抵抗式圧力センサとは

ピエゾ抵抗式圧力センサは、圧力によって生じる電気抵抗の変化を利用し、圧力を電気信号として検出するセンサです。

シリコンなどの半導体に力が加わると、内部にひずみが生じ、それに伴って電気抵抗が変化します。この「ピエゾ抵抗効果」を利用して圧力を測定するのが、ピエゾ抵抗式圧力センサの基本的な仕組みです。

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)技術を用いて小型化した製品も多く、機器や基板への組み込み用途に広く利用されています。

ピエゾ抵抗式圧力センサの構造

一般的なピエゾ抵抗式圧力センサは、圧力を受けて変形する「ダイアフラム」と、その変化を検出するピエゾ抵抗などで構成されています。

ダイアフラムにはシリコンなどの半導体材料が用いられます。外部から圧力が加わるとダイアフラムがわずかに変形し、その変形によって生じたひずみをピエゾ抵抗が検出します。

MEMS技術を用いることで、ダイアフラムや抵抗素子などを小さなチップ上に形成できるため、機器への組み込みに適した小型の圧力センサを製造できます。

圧力を検出する仕組み

ダイアフラムに圧力が加わると変形し、そこに形成されたピエゾ抵抗にひずみが生じます。

シリコンなどの半導体には、ひずみによって電気抵抗が変化する「ピエゾ抵抗効果」があります。ピエゾ抵抗式圧力センサでは、この抵抗値の変化を電気信号として取り出し、加わった圧力を測定します。

圧力の変化を電気信号に変換できるため、機器側で信号を処理し、圧力の監視や制御などに利用できます。

ほかの圧力センサとの違い

圧力センサには複数の検出方式があり、それぞれ検出原理や得意とする測定領域が異なります。

ピエゾ抵抗式の特徴を理解するために、代表的な静電容量式、圧電式(ピエゾ式)との違いを整理します。

方式

検出原理

主な特徴

ピエゾ抵抗式

圧力による半導体の抵抗値の変化を検出

小型化しやすく、静的・動的な圧力を測定できる

静電容量式

電極間の距離変化を静電容量の変化として検出

微小な圧力変化を高感度に検出しやすい

圧電式(ピエゾ式)

圧力によって圧電材料に生じる電荷を検出

急激な圧力変化への応答性に優れる

静電容量式圧力センサとの違い

静電容量式は、圧力によるダイアフラムの変形を、電極間の静電容量の変化として検出する方式です。わずかな変形を静電容量の変化として捉えられるため、微小な圧力変化を高感度に検出しやすく、低圧・微圧の測定などに利用されています。

一方、ピエゾ抵抗式は半導体の抵抗値の変化を利用します。両者は検出原理が異なるため、必要な測定範囲や感度、使用環境、機器側の設計条件などを踏まえて使い分けます。

圧電式との違い

圧電式は、圧力や力が加わった際に圧電材料に電荷が生じる「圧電効果」を利用した方式です。ピエゾ抵抗式が抵抗値の変化を利用するのに対し、圧電式では圧電材料に生じる電荷を検出します。

圧電式は応答性に優れ、衝撃や振動、脈動など、短時間で大きく変化する動的な圧力の測定に適しています。一方、一般的な圧電式は静的な圧力の連続測定には適していません。

そのため、静圧や比較的ゆっくりと変化する圧力を測定する用途では、ピエゾ抵抗式などが選択肢となります。

ピエゾ抵抗式圧力センサの主な用途

ピエゾ抵抗式圧力センサは、小型化しやすく、機器や装置に組み込みやすいことから、幅広い分野で利用されています。代表的な用途として、以下が挙げられます。

  • 産業機器
    ポンプや製造設備などにおける空気圧・油圧・ガス圧の測定や制御
  • 半導体製造装置・医療機器・空調機器
    半導体製造装置や医療機器、HVAC(暖房・換気・空調)システムなどにおける圧力の測定・制御
  • 自動車・車載機器
    ブレーキシステムや吸排気系、タイヤなど、自動車各部の圧力測定
  • 家電・コンシューマ機器
    洗濯機の水位検知をはじめ、空気や水の圧力を検知・制御する機器への組み込み

このほかにも、圧力の測定や制御が必要となるさまざまな装置で利用されています。ただし、用途によって測定する圧力の種類や範囲、温度、測定対象となる気体・液体などの条件は異なります。そのため、実際の使用環境を整理したうえで、条件に適したセンサを選定することが大切です。

機器組み込み用センサを比較・検討する際のポイント

機器組み込み用のピエゾ抵抗式圧力センサを選定する際は、測定する圧力の種類や範囲、使用環境など、自社の機器に求められる条件を整理します。

製品によって圧力範囲や出力方式、サイズ、接続方法などが異なるため、スペックの一部だけを見るのではなく、実際の用途や機器側の設計条件と照らし合わせて比較する必要があります。

測定する圧力の種類を確認する

圧力センサは、何を基準として圧力を測定するかによって、主に絶対圧・ゲージ圧・差圧などに分けられます。

  • 絶対圧:真空を基準として圧力を測定する
  • ゲージ圧:大気圧を基準として圧力を測定する
  • 差圧:2点間の圧力差を測定する

例えば、大気圧を基準とした設備内の圧力を測る場合と、2つの場所の圧力差を確認する場合では、必要となるセンサの種類が異なります。まずは「どのような圧力を、何を基準として測定するのか」を整理し、用途に適した方式を選定します。

測定範囲や使用環境が適しているか

次に、測定する圧力の範囲や求める精度を整理し、必要な仕様を満たすセンサか確認します。同じピエゾ抵抗式でも、対応する圧力範囲は製品によって異なります。また、使用温度や測定する気体・液体の種類などによっても、適した製品は変わります。

機器への組み込みを前提とする場合は、次のような条件も確認しておくとよいでしょう。

  • 測定する圧力の範囲
  • 必要な精度
  • 使用温度
  • 測定対象となる気体・液体
  • センサ本体のサイズ
  • 機器内部の取り付けスペース

あらかじめ使用条件を整理しておくことで、候補となる製品を絞り込みやすくなります。

出力方式や接続方法が機器に適しているか

圧力センサには製品によって異なる出力方式があり、接続する機器や回路に適した仕様を選ぶ必要があります。

アナログ出力は、圧力の変化を電圧や電流などの連続した信号として出力する方式です。機器側で信号を取り込み、圧力値として利用します。一方、デジタル出力は、圧力値をデジタル信号として出力する方式です。製品によってはI2CやSPIなどの通信方式に対応しています。

また、センサからの信号を増幅・補正する回路を内蔵したタイプのほか、外部回路で信号処理を行うタイプもあります。そのため、出力方式に加えて、アンプの有無、コネクタやポートの形状、基板への実装方法なども確認し、機器側の設計条件に合う製品を選定します。

機器組み込みの選択肢となるピエゾ抵抗式圧力センサ

機器組み込み用のピエゾ抵抗式圧力センサを選ぶ方法としては、既製品のなかから用途に適した仕様を選ぶほか、機器の設計要件に合わせてセンサをカスタマイズする方法もあります。

既製品で必要な仕様を満たせる場合は、圧力範囲や出力方式、サイズなどを比較して選定します。一方、取り付け形状などに個別の要件がある場合は、オーダーメイドに対応した製品も検討可能です。

ここでは、アイテクソリューションで取り扱っているオーダーメイドに対応するSensormateの圧力センサと基板実装に対応したハネウェルの圧力センサを紹介します。

Sensormate 圧力センサ(オーダーメイド対応)

Sensormateは、カスタマイズ生産に対応するセンサメーカーです。

圧力センサの特性だけでなく、取り付け環境に合わせた形状変更や、既製品をベースとした仕様変更など、機器側の要件に応じたカスタマイズに対応しています。

そのため、標準品では対応しにくい形状や仕様が求められる場合にも、機器の設計条件に合わせた圧力センサを検討できます。

求める仕様や予算を踏まえて、用途に適した圧力センサの提案を受けられる点も特徴です。

Sensormateの製品一覧はこちら

ハネウェル 圧力センサ 基板実装型

ハネウェルの基板実装型圧力センサは、シリコンダイアフラムにピエゾ抵抗を形成した圧力センサです。

用途や回路設計に応じて、信号増幅回路や補正機能を備えた「アンプ内蔵型」と、外部回路で任意の信号処理を行える「アンプなし型」から選択できます。

また、圧力範囲や出力方式、ポート形状などにも複数の選択肢があり、用途や設計条件に応じた製品を選定できます。

医療機器やHVAC、半導体製造装置など、さまざまな機器・装置への組み込みに利用されています。

Honeywellの製品一覧はこちら

まとめ

この記事では、ピエゾ抵抗式圧力センサについて以下の内容を解説しました。

  • ピエゾ抵抗式圧力センサとは
  • ほかの圧力センサとの違い
  • ピエゾ抵抗式圧力センサの主な用途
  • 機器組み込み用センサを比較・検討する際のポイント
  • 機器組み込みの選択肢となるピエゾ抵抗式圧力センサ

ピエゾ抵抗式圧力センサは、小型化しやすく、産業機器や医療機器、半導体製造装置、自動車など幅広い用途で利用されています。機器へ組み込む際は、圧力の種類や測定範囲、精度、使用環境、出力方式などを踏まえて、用途に適した製品を選定することが大切です。

アイテクソリューションでは、各種センサの選定に加え、標準品では対応しにくい仕様に合わせたカスタムセンサも提案しています。機器への組み込みに適したセンサの選定や、仕様・形状のカスタマイズを検討している場合は、ぜひご相談ください。

モノづくりの理想と現実のギャップを
アイテクソリューションといっしょに解決しませんか?

お見積りのご相談から、技術的な実現可否の確認まで、
貴社のチームの一員として誠実に対応いたします。

お電話でのお問い合わせ
03-5937-8866 (平日9時〜18時)

FAXでのお問い合わせ
03-5937-8566 (24時間受付)