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スパッタリング加工とは?成膜の仕組み・用途と委託先の選び方を解説

半導体やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)デバイスの製造では、金属膜や絶縁膜などの薄膜を形成する方法の一つとして、スパッタリング加工が用いられています。

スパッタリングは、さまざまな材料の成膜に対応できる一方、専用の真空装置やプロセスに関する専門知識が必要です。そのため、自社で設備を保有するほか、必要な成膜工程を外部へ委託する方法もあります。

外部へ委託する場合は、対応材料や成膜仕様、単工程・部分工程への対応可否、試作から量産までの体制などを確認し、自社の要件に合う委託先を比較・検討します。

この記事では、スパッタリング加工の仕組みや真空蒸着・CVDとの違い、主な材料・用途、外部委託のメリット、委託先を選ぶ際のポイントについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.スパッタリング加工とは
    1. 1.1.スパッタリングの仕組み
    2. 1.2.ほかの成膜技術(真空蒸着・CVD)との違い
  2. 2.スパッタリング加工の主な材料と用途
    1. 2.1.成膜できる代表的な材料
    2. 2.2.半導体やMEMS分野での用途
  3. 3.スパッタリング加工を外部委託するメリット
    1. 3.1.設備投資や維持・管理の負担を抑えられる
    2. 3.2.外部の設備・プロセス技術を活用できる
  4. 4.スパッタリング加工の委託先を選ぶポイント
    1. 4.1.必要な材料・成膜仕様に対応できるか
    2. 4.2.単工程・部分工程のみでも依頼できるか
    3. 4.3.試作から量産まで対応できるか
  5. 5.スパッタリング・MEMS受託加工ならアイテクソリューション
    1. 5.1.APMによるMEMSの受託加工
    2. 5.2.多様な材料・MEMSプロセスに対応
  6. 6.まとめ

スパッタリング加工とは

スパッタリング加工は、真空中でプラズマを利用して成膜材料を基板表面に堆積させ、薄膜を形成する技術です。PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成膜)の一種で、半導体やMEMSをはじめ、さまざまな分野の成膜工程に利用されています。

金属や合金、酸化物、窒化物など幅広い材料の成膜に対応できることも特徴の一つです。

スパッタリングの仕組み

スパッタリングでは、真空チャンバー内にアルゴンなどのガスを導入し、プラズマを発生させます。
プラズマ中で生成したイオンを「ターゲット」と呼ばれる成膜材料に衝突させると、ターゲット表面から原子が弾き出されます。この原子が基板表面に堆積することで、薄膜が形成される仕組みです。

材料自体を加熱して蒸発させる方式とは異なるため、高融点材料を含むさまざまな材料を成膜できます。また、密着性や膜厚の均一性が求められる用途にも利用されています。

ほかの成膜技術(真空蒸着・CVD)との違い

薄膜を形成する技術には、スパッタリングのほかに真空蒸着やCVDなどがあります。

真空蒸着は、真空中で材料を加熱・蒸発させ、その蒸気を基板表面に付着させて薄膜を形成する方法です。一方、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)は、原料ガスを供給し、化学反応によって基板表面に薄膜を形成します。複雑な形状への被覆などにも利用されています。

スパッタリングは、プラズマ中のイオンをターゲットに衝突させて材料を放出する点が、これらの方法との主な違いです。

方式

成膜原理

主な特徴

スパッタリング

イオンをターゲットに衝突させて材料を放出

高融点材料を含む幅広い材料を成膜できる

真空蒸着

材料を加熱・蒸発させて基板に堆積

真空中で材料を蒸発させて薄膜を形成する

CVD

原料ガスの化学反応によって成膜

複雑な形状への成膜にも利用される

それぞれ成膜原理や得意とする材料・形状が異なるため、形成したい膜の特性や基板、製造条件などに応じて適した方法を選択します。

スパッタリング加工の主な材料と用途

スパッタリング加工では、金属や合金、酸化物、窒化物など、さまざまな材料を用いた薄膜形成が可能です。導電性や絶縁性など、デバイスに求められる特性に応じて材料が選択され、半導体やMEMSをはじめ幅広い分野で利用されています。

成膜できる代表的な材料

スパッタリングでは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などの金属をはじめ、合金などさまざまな材料を成膜できます。このほか、酸化タンタル(Ta2O5)などの酸化物や、窒化チタン(TiN)などの窒化物にも対応しています。

材料や成膜条件を変えることで、導電膜や絶縁膜をはじめ、用途に応じた特性を持つ薄膜を形成できます。ただし、実際に対応できる材料や膜厚などは設備によって異なるため、外部委託を利用する場合は委託先の対応範囲を確認する必要があります。

半導体やMEMS分野での用途

半導体製造では、配線膜や電極、バリア膜など、デバイスを構成するさまざまな薄膜の形成にスパッタリングが利用されています。MEMS分野でも、圧力センサをはじめとする各種センサやアクチュエーターなどに使用される金属膜・機能膜の形成に用いられています。

必要となる材料や膜厚、基板、膜特性などはデバイスによって異なるため、それぞれの設計要件に応じた成膜プロセスを選定する必要があります。

スパッタリング加工を外部委託するメリット

スパッタリング加工を自社で行うには、真空成膜装置や周辺設備の導入に加え、設備の維持・管理や、プロセス条件を調整するための知識・人材も必要です。

そのため、加工数量や頻度、必要な材料・仕様などによっては、自社で設備を保有せず、専門企業へ成膜工程を委託する方法もあります。特に、試作や少量生産、特定の工程のみでスパッタリングが必要な場合には、外部委託が選択肢となります。

設備投資や維持・管理の負担を抑えられる

外部委託を活用すれば、自社でスパッタリング装置や真空設備などを新たに導入せず、必要な成膜工程を専門企業へ依頼できます。

また、装置の保守・メンテナンスや、加工を担当する人材の確保といった負担も抑えやすくなります。試作や少量生産など、設備を継続的に稼働させる見込みが少ない場合にも活用しやすい方法です。

外部の設備・プロセス技術を活用できる

外部委託を活用することで、自社が保有していない成膜設備やプロセス技術を活用できます。

自社設備では対応が難しい材料や成膜仕様についても、対応する設備・技術を持つ委託先を選ぶことで、新たな設備を導入せずに加工を進められます。また、試作・開発段階で複数の材料や成膜条件を検討したい場合にも、外部の設備・技術を活用できます。

スパッタリング加工の委託先を選ぶポイント

スパッタリング加工を外部へ委託する際は、自社が求める材料や成膜仕様に対応できるかを確認します。また、スパッタリングのみを依頼するのか、前後のMEMSプロセスも含めて委託するのかによって、適した委託先は異なります。

試作から量産まで継続して委託する可能性がある場合は、生産能力や品質管理体制、リードタイムなども含めて比較します。

必要な材料・成膜仕様に対応できるか

まず確認したいのが、自社で求める材料や成膜仕様に対応できるかどうかです。使用するターゲット材料や基板、必要な膜厚などによって、使用する設備や成膜条件は異なります。金属だけでなく、合金や酸化物、窒化物などを使用する場合は、それぞれの材料への対応可否も確認します。

また、用途によっては膜厚や膜質などの評価が必要となるため、加工に加えて、評価・検査までどの範囲に対応しているかも確認しておくとよいでしょう。

単工程・部分工程のみでも依頼できるか

MEMS製造の全工程を一括して委託するだけでなく、「スパッタリングのみ」など、必要な工程を切り出して依頼できる委託先もあります。

自社で対応できる工程は社内で行い、専用設備が必要な成膜工程のみを外部へ委託することで、既存設備を活用しながら不足する加工設備や技術を補えます。

特定の工程のみを外注したい場合は、単工程・部分工程への対応可否に加え、受け入れ可能な基板や前工程の条件なども確認しておくと、委託範囲を検討しやすくなります。

試作から量産まで対応できるか

量産を見据えている場合は、開発段階の試作から量産まで継続して依頼できる体制があるかを確認します。

あわせて、生産能力や品質管理体制、リードタイムなども委託先を比較する際のポイントとなります。試作と量産を同じ委託先に依頼できれば、試作時に検討した成膜条件や仕様を引き継ぎながら、量産への移行を進めやすくなります。

また、スパッタリング以外の工程も外部委託する場合は、エッチングやウェハ接合など、前後のMEMSプロセスを含めた対応範囲も確認します。

スパッタリング・MEMS受託加工ならアイテクソリューション

アイテクソリューションでは、台湾のMEMSファウンドリー「Asia Pacific Microsystems(APM)」やそのほかの協力会社を通じて、スパッタリングを含むMEMSデバイスの開発・製造を支援しています。

各種材料の成膜に加え、必要な単工程・部分工程からMEMSデバイスの試作・量産まで、開発内容や生産体制に応じて委託範囲を検討できます。

自社に必要な成膜設備がない場合や、MEMS製造の一部工程のみを外部へ委託したい場合にも相談できます。

APMによるMEMSの受託加工

APMは、台湾・新竹に拠点を置くMEMSファウンドリーです。圧力センサや光学アクチュエーターなど、3次元の微細構造を持つMEMSデバイスの開発・量産に対応しています。

MEMS製造の一連のプロセスに加え、スパッタリングなど、必要な単工程・部分工程のみを切り出して依頼することも可能です。自社の開発体制や保有設備に応じて、委託する工程を検討できます。

多様な材料・MEMSプロセスに対応

APMでは、AlCu、Cu、Pt、Ta、Ti、Auをはじめ、酸化物のTa2O5や窒化物のTiNなど、多様な材料のスパッタリングに対応しています。

スパッタリングのほか、蒸着、PECVD、LPCVDなどの成膜技術にも対応しており、用途やデバイスの設計要件に応じた成膜プロセスを検討できます。

さらに、エッチングやウェハ接合など、MEMS製造に必要な各種プロセスにも対応しています。そのため、スパッタリングのみを単工程で依頼するほか、前後工程を含む複数のMEMSプロセスをまとめて委託することも可能です。

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まとめ

この記事では、スパッタリング加工について以下の内容を解説しました。

  • スパッタリング加工とは

  • スパッタリング加工の主な材料と用途

  • スパッタリング加工を外部委託するメリット

  • スパッタリング加工の委託先を選ぶポイント

  • スパッタリング・MEMS受託加工ならアイテクソリューション

スパッタリング加工は、真空中でプラズマを利用して薄膜を形成する技術で、半導体やMEMSなどの製造に用いられています。外部へ委託する場合は、対応材料や成膜仕様に加え、単工程・部分工程への対応可否、試作から量産までの体制などを確認します。

アイテクソリューションでは、台湾のMEMSファウンドリー「APM」やそのほかの協力会社を通じて、スパッタリングを含む各種MEMSプロセスの受託加工を支援しています。スパッタリングのみの部分委託や、複数工程を含むMEMSデバイスの試作・量産についてもご相談いただけます。

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